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2022年12月31日更新

【婚活うつになる】LINEもメールも返信なし。女のプライドがズタズタに。(37歳婚活体験談)

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私モテますから!自由と恋を愛する麗子の30代婚活ブログ

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麗子(れいこ)
37歳。外資コンサル会社(正社員)。
現在ステディの彼氏はいないが、遊び相手には不自由しない。年下のボーイフレンドも多し。
自由を愛する。これまでモテてきたプライドは人一倍強く持つ。

そんな麗子の
実体験に基づくエピソードから
こういったタイプが
婚活で直面しがちな問題について
ともに考えていきましょう。



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人は誰でも、人を求めている。



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外資系コンサル会社で働く麗子。

美容整形外科に通わずとも、
外見は、高額を注ぎ込んで
普段のメンテナンスを繰り返し、
顔もスタイルも年齢の割には劣化していません。

服はシャネルやエミリオプッチ、
フォクシーなどセレブ御用達マダム系高級ブランドや
インポート系を着こなしています。

「30代には見えないね」との
賛辞を糧に仕事も遊びもパワフルにこなし、
自由な独身生活を謳歌
しています。

ボーイフレンドは、パーティなどで見つくろい、
遊び相手には苦労せず。

そして今日も自宅がある
麻布十番のバーに立ち寄ります。

20代の可愛いバーテンダーで
目を潤すのが金曜夜の
密かな楽しみの一つになっています。

婚活パーティーに初参加

麗子
「ねぇ、1本開けていい?もちろんブルゴーニュで」
バーテン
「かしこまりました。今ご用意しますね。それにしても麗子さん、今日も麗しいですね」
麗子
「ふふ。ありがとう。それはそうと、こないだここで紹介してくれた××くん、もう切れたわ。
年下の男の子って可愛いんだけど、1〜2回ご馳走したらもう連絡が取れなくなるのよね」
バーテン
「えっ、麗子さんに対して、あいつそんな失礼なことを…。すみません、今度シメておきます。でも麗子さんならモテモテなんじゃないですか?」
麗子
「まぁ、一応声をかけてくれる人は多いわ。お誘いは絶えないし、AがダメでもB、BがダメでもC、D、Eとデート相手は絶えません。
でも、最近の若い子たちはガッツがなくて全然手を出してこないから、物足りないのようね。あー恋に落ちたいわー」
バーテン
・・・
麗子
「男気のある肉食系はどこに行ったのかしらね?」
バーテン
「麗子さん、結婚は考えないんですか?理想高そうですもんね。
そういえば、こないだあるお客様がSホテルで医師弁護士あたりの上流階級が来る豪華婚活パーティーがあると話されていました」
麗子
「婚活?そうね、男女のせめぎ合いにもそろそろ疲れたし、落ち着くのもいいわね。ちょっと冷やかしに行ってこようかしら」
バーテン
「チラシ、ありますよ。これです」
麗子
「5ツ星ホテルの最上階で、ブッフェスタイル?いいわね。会費も男性が1万円なら、低年収の草食男子も来ないでしょう。いいじゃない、これ」
バーテン
「よかったらこのチラシ、差し上げます」
麗子
「ありがと。いいわ、ここでエントリーしちゃう」

(飲みながらサクっとエントリー完了)

バーテン
「さすが麗子さん、決断力がありますね」
麗子
「エントリーついでに、友達数人にもURL送ったわ」
バーテン
「仕事ができる女性は何でも早いんですね。行動力もあるし
麗子
「素敵な会を紹介してくれてありがとね。じゃ、次に行ってくるわ」



店を出た麗子は、
もちろんこのまま家に帰るのではなく、
肉食女の聖地、
六本木のバーに向かいます。

パワフルな麗子の夜は
24時からが幕開けなのです。

♡ポイント解説

一人の気楽さ。婚期を逃しがちに

麗子の場合、公私ともに割と充実していて、
おカネにも遊んでくれる男にも
不自由していません。

「落ち着きたい」と言いつつ、
独身生活を謳歌。

こうなると、結婚は自分一人でいる時よりも
快適に過ごせる相手でないと厳しくなりがち。

もちろん結婚生活はそうはいきません。
独り身が楽しくなると、婚期はほぼ逃します。




連れの女友達に男性を取られた?

婚活パーティー

今夜は「男は医師や弁護士、
会社経営者など上流階級限定!」
という触れ込みの、
セレブ系婚活パーティーです。

麗子の気合いはいつもの2割増し。

麗子
手元足元はキメネイルにしてもらったし、溶岩浴で毒素も出した。髪もいつもより多めに巻いた。服は、デコルテや背中を魅せる、今期新作のシャネルのドレス。もちろん靴もシャネルよ。
今日は最低5人は狩れるかしら。

会場に到着。友人の姿が見えないため、たまっていたメールの返信とツイッターチェックにいそしみます。

そして24歳の美女友達、輝子が到着。

合流してドリンクを取り、
2人で談笑しているところに
早速男達が近寄ってきました。

ところが、男たちは麗子には目もくれず、
輝子ばかりに集中。

出鼻をくじかれた麗子は手持ち無沙汰に、
またケータイをいじり始めました。

と、そこで、視界の片隅に理想を
絵に描いたような外見の男を発見…。

急いでケータイをしまい込み、
笑顔で男に話かけに行きました。

麗子
「今日はどちらからいらしたの?」
オトコ
「実家の二俣川から」
麗子
「まあ!私も実家がそこなの。えっ、じゃあもしかして学区も一緒かしら?」

奇遇にも2人は学年こそ違えど、
同じ学区内だったことが判明。

ひとしきり地元ネタで盛り上がります。
そのうち、地元で伝説の美男美女の話になり…。

オトコ
「あのイケメングループ、すっごいモテてたよね」
麗子
「あー、私そのグループの人、5人とも付き合ったことある!」
オトコ
「ええっ。モテモテじゃないですか」
麗子
「まぁね。でもあいつら、男として全然だめなのよ。見た目に騙されている女は多いけど」
オトコ
「え、そうですか…」

気分よく酔っていた麗子は、
聞かれてもないのに
過去の男性遍歴をペラペラ話しています。
しかも、相手の悪口ばかり。

酔ったせいで相手の失笑を
笑顔と勘違いして、
勢いに乗って他の男にも次々と話しかけ、
一応5人の連絡先をゲットしました。

♡ポイント解説

連れていく女友達を誰にするか

「この子を連れていくと
自分の出番がなくなる」と感じたら、
その辺は動物的勘に従った方がいいでしょう。

感じよく振る舞うと

全ての人にまあまあ愛想良く、
気に入った男性にはと特段愛想よく。
これが基本です。

だめ!男性遍歴

過去の男性の話は禁物です…。
自分の情報は隠して、
相手の情報を引き出す。
初対面の場はある意味、情報戦です。

ブランドづくめはオトコの腰が引ける

ブランドずくめの女は、ややもすると
“浪費家”のレッテルを貼られたり、
お金のかかる女と思われたりして、
結婚対象として見てもらえる
可能性が低くなります。

たとえ、あなたが稼いでいたとしても
真剣に婚活するなら、「無難」が一番です。

婚活は時間との戦いでもある

複数の人と連絡先を交換するのはGOOD!
婚活界は時間との戦い。
複数同時進行していきましょう。

婚活鬱になる
モテる女という私のプライドがズタズタに。

婚活バーティでは、
5人分の連絡先を交換してきました。

麗子はモテてきた過去の栄光が邪魔をして、
自分からメールなぞ送ろうとしません。
基本、受け身です。

しかし、あくる日もそのまたあくる日も、
いっこうに誰からもメールが来ません。

「今回は草食系ばかりだね。イケてないわ!」
と憤慨していたこところ、
同行していた輝子のところには
他の男子からお誘いメールが
殺到しているとの情報が。

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LINEもメールも返事がこない

プライドを完全に傷つけられました。
「あれ、もしかして、これが婚活の世界なの?
今まで生きてきた恋愛界とは違うの?

だとしたら、メールは自分から出さないと
いけないのではないか、と思い直しました。

そこでパーティから3日目に、
連絡先を交換した男5人全員に、
名前だけ変えて
内容は同一のメールを送信したのでした。

麗子

「◎◎様 こんにちは。先週の土曜日、Pホテルでのブッフェでお目にかかりました麗子と申します。

先日はお酒の勢いも手伝って、調子に乗ってはしゃいでしまい失礼しました。いたく反省しております…。

あの日は帰り道にゲリラ豪雨が降りましたが、○○さん、雨に濡れませんでしたか?お風邪など引かれてなければよいのですが…。また、機会がありましたらお会いしましょう。

取り急ぎ、先日のお礼まで。麗子



 返信が来たのは5人のうち3人だけでした。

男⓵

「麗子さん。ご丁寧なメール、ありがとうございます。

いやー、あの日の麗子さんめっちゃエロかったです。参りました。

ぜひまた飲みましょう!」

男⓶

「メールありがとうございます。バタバタしていてメールしそびれちゃって失礼しました。

あの日はゲリラ豪雨、すごかったですね。僕は大丈夫でしたが、麗子さんはドレス、濡れませんでしたか?(あのドレス、セクシー過ぎて参りました笑)

そうそう、今週末、僕の友人がレストランオープン記念でレセプションやるんです。よかったら麗子さんもいらっしゃいませんか?」

男⓷

「麗子さん、こんにちは。先日、IT業界の話で盛り上がりましたね。麗子さんの先見の明にはほんと感心いたしました。

僕も、もっと勉強しなくてはとおもっております。」


(男⓵への返信)

麗子
「ありがとうございます。だいたい週末は飲み歩いてますので、ぜひ今度ご一緒できればと思います。いつでも声かけてください。(^^)」


(男⓶への返信)

麗子
「こんばんは。レセプション素敵ですね。ぜひ参加させてくだあし。可愛い20代連れていきますね(^^)」


(男⓷への返信)

麗子
「そんなことないですよー。私なんかまだまだ。こちらこそ色々また教えてください(^^)」



 その後のやりとりは、次の通り。


 (男⓵から)
 返信断絶

(男⓶から)
その後、レセプションの詳細メールが届き、
1週間後に勝負は持ち越し。

(男⓷から)
業界話あれこれみたいな日記メールが2、3日続いたかと思ったら、
突然ぷっつり…。
たまたま聞上手な麗子は3日で用なしに?

結局、デート候補は得られなかったということ…。
しかし男②に誘われたレセプションに
かすかな希望を抱き、
次は20代女子ではなく
年の近い34歳の後輩を連れて行こうと決意しました。

♡ポイント解説

淡い期待は抱かず、次に向かおう
言わずもがな、
女性の方からメールを出しても
返事がない場合、
男性の方に興味がないということです。

しかしここで麗子はさほど引きずらず、
次の行動を起こそうとしているのは
とてもGOODです♪

きちんと好きになってもらうなら
色っぽい格好をしている女性を見たとき、
男性の脳では、便利な道具を見た時と
同じ箇所の脳の部位が活発に動くそうです。

つまり、人としてというよりは、
その色気に対して、
ヤリタイという対象にすぎなくなってしまうのです。

だから、きちんと好きになってもらおうと思ったら、
見せる色気は一部に抑えた方が無難です。

色気はワンポイント
ちなみに出す色気の程度は、
個人差があります。

顔もカラダもエロい人はうんと隠した方が良いです。
他方スレンダーな人は
上半身を隠して脚だけは思いっきり見せるなどして、
部分的に露出多めにしても効果的です。

要は全体のバランス!
色気はワンポイントで見せた方が
絶対効果的です!!

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婚活パーティでの格差に愕然

レセプションの日

白金高輪の住宅地の一角にあるマンション。
この一室で、開かれるレストランの
オープニングパーティのために、
麗子は今回露出を胸元と
二の腕だけに制限したロングドレスで出かけました。

前回のパーティで
「エロ」のレッテルを貼られるだけ
貼られて何一ついいことがなかったので、
抑え目にしようと考えたのです。

会場に着くと、
そこは見るからに20代の女子と
ステータスの高そうな
ヤリ手30代男性たちで埋め尽くされていました。

30代半ばの自分たちは
その空間の中で明らかに浮いています。

男性たちは優先的に美人の20代に群がり、
それがダメならそこそこレベルの20代に。

20代女子に話しかけられなさそうな
弱気な雰囲気の男性は
少数派の30代女性に捕まっている。
そんな光景が広がっていました。

麗子
職場では中間管理職で
部下から怖れられているほどなのに
ここでは誰からも意識されず、相手にされない。
まるで透明人間。自分たちは最下層なの…?

現実世界とここでのランクの格差に
愕然とする麗子。

それでも、果敢に20代女子と
男性たちの輪に飛び込みました。

そして、場を盛り上げるだけ盛り上げて、
みんなに感謝されて…その繰り返しで、
ふと気づくと泥酔して後輩に介抱されていました。
ここでも、敗退。

麗子
もう自分は30代には全く
チヤホヤされない年齢なんだ。
もうバツイチか甲斐性のない働きたくない願望の男性しか選択肢がないのだろうか。

アラサーを過ぎたらモテない女になった?

『ルールズ』という恋愛マニュアル本を読んでいた
26歳の自分を思い出す。



『ルールズ』-幸せを手にいれる絶対法則-


当時は『ルールズ』の通りに実践しても、
相手は肉食系男子ばかりだったから
ホイホイ男が捕まりました。

しかもステータスの高い男性ばかり。
それからというものの
ずっとその手を使っていました。

しかし、
30代を過ぎた頃から通用しなくなり、

外見と会話に磨きをかけ、
目配り気配りで男性を立てることで
モテ度を維持してきました。

『ルールズ』が通用する
肉食男子が減ったからだろうと思っていたけれど、
肉食男子はある一定数は健在しています。

希少な肉食男子は、20代の前では肉食だが、
私の前では消極的になる。

薄々気がついてはいたけれども、
現実から目を背けるようにして六本木で遊んでいた。

六本木は日本人の女であれば
チヤホヤしてくれる外国人男性が多いからです。

ところが、いざ日本人のいる出会いの場に来てみて、
実際に、男性たちが目の前の私を素通りして
他の女性を狩りに出ている現場を
連続して目の当たりにすると、

さすがに現実を受け入れるしかなかったのでした。

婚活疲れ。
早く結婚したい

1週間後

いつも自分が遊んでいる六本木界と
婚活界では自分の需要もランクも
全く違うことを痛感していた矢先、
追い打ちをかける出来事が起こりました。

年下のボーイフレンドから次々と
結婚報告を受けるようになったのです。

しかもそのうちの一人はメインのボーイフレンドで、
ついこの間まで「麗子が一番好きだ」
となついてくれていた子。ラブラブだったのに、
なぜかここ3ヶ月よそよそしくなっていたところでした。

麗子

まさか、他に女がいたとは。
しかも、風の噂によると相手は20代女性で、
デキ婚だという。彼は20代のエリート弁護士。

この不況下で、女性の方が結婚を
焦って早く手を打ったのだろうか…。

いい男ほど市場から
消えていくと言っていたけれど、
椅子取り合戦は、
若い子が圧勝するとは聞いていたけれど、
まさか自分に惚れていたはずの
男の子までが20代にかっさらわれていくとは。

麗子
もう、恋愛はしたくない。
くっついたり別れたりはいらない。楽になりたい・・・



女30代。若い女性と同じ場所で戦わない

麗子
20代女子と競合しない層にターゲットを絞ろう。
もう恋愛はいいや。
いまどきの保守的な20代が敬遠しそうな
自営業やフリーランスを当たってみよう、
しかもバツがついていればなおよし…。

そこまで考えた時、
ふと40代でフリーカメラマンをしている先輩を思い出しました。

麗子
2年間連絡を取ってないけど、ちょっと電話をかけてみよう。
麗子
「もしもし?久しぶり。元気?」
先輩
「おー、元気元気。どしたの?」
麗子
「いえね。携帯を新しくして、電話帳の整理をしたらあなたが出てきて、ふと元気かなと思って電話したの。もう結婚してパパになってたりする?」
先輩
「いやさ、実は一回結婚したんだけど失敗して。今はフリーだよ」
麗子
「あら、そうなの」
先輩
「麗子はどう?時間あったら飲みに行こうよ」



運良く電話もつながり、
サラっと1週間後の土曜日に
飲みに行くことが決定。

2人は5年前知人の雑誌編集者を介して知り合い、
その後その編集者の飲み仲間の集まりで
顔を合わせるうちに
友達以上恋人未満の仲になっていました。

カメラマン男からなんとなく真剣交際を
要求されてはいたものの、
まだ遊びたい盛りの麗子は
一人の男からの束縛を嫌い、
それとなく流していました。

多忙を極めていた麗子は
いつしか編集者仲間の集まりにも
顔を出さなくなり、
2人は疎遠になっていたのでした。

♡ポイント解説

傷ついて、わかることがある
人は傷ついた時に、自分の心の声に正直になります。
失恋の痛手をきっかけに
積極的に動いたことはとても良いこと。

人生で一番若い日は、今日この日。
1年1年が勝負です。
未来だけを見て歩んでいきましょう!

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婚活のストレスから解放される

40歳フリーカメラマンとのサシ飲み

カメラマン男おすすめの
日本酒がおいしい和食屋で、
2人はお互いの近況を語らいました。

カメラマン

「知っての通り、出版業界はこんなありさま。写真はライターや編集が撮るのがデフォルトになって、カメラマンの仕事は激減したよ。今はウェブの仕事にシフトしながら副業もして、なんとかしのいでいる」

麗子

「今はどこも大変よね。私の会社でも退職勧奨が始まっていて、みな次は自分じゃないかと戦々恐々としているわ」

カメラマン

「コンサルの会社だったよね。でも麗子のことだから、成果は出してるんだろ?」

麗子

「ギリギリね。子持ちの兼業主婦よりは成績を出しているかと。こっちはハンディがないからね」

カメラマン

「麗子は結婚しない主義なんだっけ?」

麗子

「いや、前はそうだったけど……」

カメラマン

「おれでよかったらいつでももらってやるよ」

麗子

「ま!名カメラマンにそう言っていただけるなんて光栄です」

カメラマン

「考えておいて。久しぶりに会って、麗子はますますいい女になったよ」



いい女――。
これまでごまんと言われてきたけれど、
敗北続きで鬱になりかけた今ほど
この言葉が心に沁みる瞬間はない。


麗子

「ま!名カメラマンにそう言っていただけるなんて光栄です」

麗子

「ありがとう。カメラマン男くん、なんか疲れてる?結婚、大変だったの?確か、撮影で知り合ったモデルと結婚したって聞いたけど」

カメラマン

「うん。なんかさ、前の奥さんはおれの仕事が激減してから態度が変わってきてさ。子どもの手が離れたと思ったら他の男と遊びに行くようになって。要は、不倫してたんだ。それで、そっちの男の元に走ったんだ。カネの切れ目は縁の切れ目ってホントだな」

麗子

「えげつないわね。私は絶対そんなことできない」

カメラマン

「そうかな。女なんてそんなもんだよ。結局はカネ」

麗子

「私は違うよ。

いや、確かに5年前は私もその傾向があったかもしれないけど、今はそんな幻想消えてなくなった。

だってお金があっても瞬時にその地位から脱落する人いっぱい見てきたし。

私自身、お金を稼ぐことの大変さを知っているから、ただでさえ傷ついている人に対して追い詰めるようなことはしないしできない。

一度好きになった人は、何があっても守るのが女じゃないかな」

麗子はカメラマン男の元妻に憤りを感じる余り、
まくしたてていたことに気づきました。

カメラマン

「……。変わったね。さっき、ますますいい女になったって言ったけど、おれが思っていた以上にもっといい女になってたんだな」

麗子

「そうかな……。カメラマン男くんも、前の荒々しさが取れて、ほどよい感じになったよ。前はもっとオラオラ系だったのに、こんなに穏やかになっちゃって」

カメラマン

「お互い、ちょうどいい時に再会したんだね」

その夜、2人は終電で別れました。

あくる日から、
麗子は婚活開始時から
ストレスで止まっていた生理が復活。

情緒が安定したことを
モロに体感しました。

絵に描いたようないい男と
ばかり付き合ってきたけれど、

彼らも一歩間違えれば道を踏み外すし、
フタを開けてみれば
その心細さは他のサラリーマン同様。

中身は似たり寄ったりなのだ。
奥さんは彼の元を去り、

自分はそれを
受け入れられるようになった。

年を取るのも悪くない、のかなぁ、、、

♡ポイント解説

心地よい関係を再構築

オトコはどんなときも、
気になる女の前では無理をするもの。

恋愛関係にあった時は
お互い背伸びをしていたとしても、
別れた後に会うと
気楽にいろいろぶっちゃけられるもの。

そんな”ありのままの姿”を
受け入れてくれる女に弱いもの。

お互いが
心地良い関係、距離感を
再構築できる。
それが復縁の最大のメリットでないでしょうか。

相性の合う男性
私の心も落ち着く

旧友だったカメラマン男と
再会した麗子は、
その後も自然と会うようになり、
再会して1ヶ月後には、
カメラマン男の家で2人で過ごす週末が
定番となってきました。

カメラマン男は、麗子の手料理を
「美味しい美味しい」と言って食べてくれ、
「そのお礼」と言って料理以外の
家事は進んでしてくれます。

さらに、麗子の何気ない動作も
得意のカメラで激写し、
麗子のプチ写真集を作るなどして、
麗子を退屈させません。

カメラマン

「この写真を見て。麗子はネギを刻んでいる時はキリっとしていてかっこいいのに、電球を替えている時はこんなにマヌケな顔なんだね。眠っている時の顔も、かわいい表情もあればこーんなぶさいくな表情もあるんだよ」

麗子

「うわっ、私のこの寝顔、ぶさいく過ぎ!!でもこっちの寝顔はまるで白雪姫のような神々しい美しさ」

カメラマン

「それは言いすぎなんじゃ。せめて『牛の寝顔のように安らかな顔』にしときなよ」

麗子

「それを言うなら『仔犬の寝顔』でしょ。牛って全然可愛くないし!」

カメラマン

「ハハッ」

麗子

「アハハッ。ちなみにあなたは炒めたプチトマトみたいにシワシワで疲れ切った顔して寝ているわよ。あ、寝顔だけじゃないか」

カメラマン

「そのたとえもよくわかんねえよ!ハハハ……」

笑いのネタをあれこれと作っては
麗子を楽しませてくれるカメラマン男。

彼は職業柄、人を褒めたり
いい気分にさせたりすることが得意で、
マメに気遣いもできる。

そのおかげで麗子は一緒にいて、
お腹の底から自然と笑えていることに気づきました。

一時は止まっていた生理も順調に来ており、
肌の調子もすこぶる良い。
安定した精神状態の表れです。

本来の自分を取り戻す

また、実質無職で、
フットワークの軽いカメラマン男は、
麗子が呼び出すとすぐに
駆けつけてきてくれるのも、
麗子を満足させました。

平日勤務のサラリーマンだと
「朝早いからさ」「今夜は接待なんだ」
と四の五の抜かして駆けつけてはくれません。

20代のうちは
ワガママ放題に生きていた麗子にとっては、
昔の楽しさが蘇り、自尊心が復活。

婚活中はSッ気のある自分を殺して
相手に合わせていたので、
ようやく本来の自分を取り戻してきたのです。

カメラマン

「僕ら、気が合うよね。このまま一緒に住んでみない?」

麗子

「それって、同棲しようってこと?」

カメラマン

「うーん」

麗子

「私ね。そろそろ結婚がしたいんだよね。それで、婚活もちょこっとしていたの。だから、結婚する気がないなら同棲できないな。私はあなたと結婚できたらとても嬉しいけど、あなたがもう結婚にこりごりしていたり、今はその気持ちじゃないっていうんだったら潔く終わらせた方がいいと思う」

カメラマン

「えっ……。僕は君と結婚したいよ」

麗子

「ほんと?語尾が弱いけど」

カメラマン

「もしかして僕の経済状況を心配してくれてる?でも、一応事務所用にマンションは買ってあるから、住むには困らないよ。僕は自分で言うのもなんだけど、精神的に強いほうだと思う。今はこんな状態だけど、何らかの方法で絶対稼いでみせる」

麗子

「まあ、精神的に強くないと20年間もフリーでカメラマン業はできないわよね。それにそれだけの実績があるなら……」

カメラマン

「他の仕事にも生かせるよ。いや、生かす」

麗子

「でも、今の言葉は勢いかもしれないよ?とりあえず、3ヶ月付き合ってみましょう。3ヶ月経過して、その気持ちが続いたら、結婚を前提に一緒に暮らしましょう。もし本当に結婚する気がないのなら、ちゃんと言ってね」

こうして、交際が始まった2人、
3ヶ月はあっという間に過ぎました。

カメラマン男は最初の頃から一貫して、
優しさも、楽しませようという心遣いも欠きません。

また、楽しいだけでなく、
麗子がご飯を作ったら彼が洗い物をし、
麗子が洗濯をしている間は彼が掃除をするなど
自然と役割分担ができていて、
お互いちょっとずつ家での生活が楽になっていきました。

彼は、お金がないという点を除いては、
パーフェクトなのです。

プロポーズを仕掛ける

ところが、彼は3ヶ月が経過したというのに、
結婚の「け」の字も出してきません。

徐々に不安になってきた麗子。
ここでうやむやに流してしまうと
結婚が遠のいてしまう気がして、
一か八か勝負に出ました。

一週間後

麗子

「ねえ、もう一回住所教えてくれる?」

カメラマン

「いいよ。なんで?」

麗子

「うちに置いてってるパンツとか、持って帰るとなると重いでしょ。送った方が楽かと思って」

カメラマン

「はあ?」

麗子

「“はあ”ってなに寝ぼけてんの。もうお約束の時期でしょ。3ヶ月経ってもあなたが何も言ってこないから、お別れの準備を始めようとしているの」

カメラマン

「ちょ、ちょっと待って。(ガサゴソガサゴソ、カバンから何かを取り出して)はい、これ」

麗子

「なに」

カメラマン

「麗子の好きなブランドのだよ」

カメラマン男がカバンから取り出したのは、
ハリーウイストンの指輪でした。

麗子

「キャー、どうしたのっ、これ」

カメラマン

「ダイヤが大きくなくて悪いけど、婚約指輪。もしよかったら、僕との結婚の準備を始めてください。お別れの準備じゃなくて」

指輪のダイヤは確かに最小サイズだけど、
麗子が夢にまで見た
ハリーウイストンの指輪でした。

彼は、実質失業中の身でありながら、
機材購入用に貯えてきたお金を、
いわば私財を投げ打って
捨て身のプロポーズをしてくれたようです。

この人は、私のためならここまでしてくれるの……?
麗子は感激のあまり、
数秒間言葉が出てきませんでした。

カメラマン

「どうかな」

と真摯な顔で、
否、思いつめたような顔で
麗子をじっと見つめるカメラマン男。

麗子はぎゅっとカメラマン男に抱きつき、
その間、歴代の男たちへの
思いをめぐらせていました。



(麗子の過去ふりかえり)

今までは、
外見やノリの良さを重視した遊び男か、
私以上の年収の男しか目に入ってなかった。

でもそういう人は遊び相手にはいいけれど、
結婚相手としては見られないし、
あっちも私を結婚相手として
見ようとしてくれなかった。

一方、この人は、
歴代の男たちに比べると
年収面を始め条件は最悪で、
ランクも2ランク、3ランクは下がっている。

ただ、一緒にいて気がすーっと楽になるし、
笑いが絶えない。
毎日が本当に楽しい。

意外にも、こに女の幸せがあるのかもしれない……。

ちなみに、あと1年後だと、
結婚しようとするなら、
3ランクも下げないといけないかもしれない。

3ランクも下げると、社会人としてどうなの?
っていう男しか残ってないかも。

手を打つなら今、
ギリギリのタイミングなんじゃないかしら。

(麗子の過去ふりかえり終わり)

カメラマン

「で、どう?」

3回目に聞かれて、
麗子は、

麗子

「私でよかったら、ぜひお願いします」

と答えました。

20170426 marrigae6

私のどこが良かったの?
アラフォー間近で告白された

麗子

「ちなみに、私のどこが良かったの?」

プロポーズの日から1週間後、
結婚に向けての
打ち合わせをしようと
カフェでお茶をしていた2人。

麗子はカメラマン男に尋ねました。

カメラマン

「初めて僕を家に入れてくれたとき、センスのいい和柄のおしぼりを出してくれたよね。気の利いた和菓子もあった。そういう、意外と女性らしくて品のある、いわゆる育ちの良さが感じられるところ。あと、廃ブランドの服ばかり着ているイメージがあったけど、出勤時とかは実はH&Mとか着ていて、浪費家じゃなくてメリハリのある使い方をしているだけなんだなと気づいて。それから、さすがコンサルタントっていうか、見てくれがいいだけのモデにはない圧倒的な知性があってユーモアも言えるから、話していて楽しいんだ」

麗子

「細かいとこ、見てくれてたのね。私もあなたの、極端なほどメリハリのあるお金の使い方に惚れたわ」

カメラマン男は、
普段は飲みに行っても
自分はドリンク1~2杯で我慢したり、
終電後は彼の自宅まで2時間かけて
歩いて帰ったりしてケチケチしていました。

しかしその一方で、
麗子が変える時はタクシー代を
渡してあげたり、

先日の婚約指輪を買ったりと、
ドカーンをお金を使ってくれたのです。

思い返してみると、
あの時ケチケチしていたのは、
この婚約指輪のためだったのかもしれません。

カメラマン

「お金の話は置いといてさ。逆に聞きたいんだけど、麗子はさ、今までイケメンとばかり付き合ってたでしょ。何で僕で手を打ってくれたの?」

麗子

「何寝言言ってんのよ!かっこいいとかおしゃれだっていうのは時間と共に退化していくもので、何の価値もないでしょ。グラビアアイドルとかさんざん撮ってきたあなたが一番知ってるはず。そういえばあなたの元妻はモデルだったっけ……」

カメラマン

「うん。だからこそ僕も見た目の劣化の事実についてはよく認識している……。でも麗子は同世代のほかの女性に比べれば劣化してないよ」

麗子

「お金かけているからよ!何なら、いただいた指輪を質屋に入れて美容整形してもいいわよ(笑)」

カメラマン

「僕も、時間と共に退化していく外見より、さっき言ったようなことに惚れた。だから、どうかその指輪は質屋に入れないでずっとつけていてほしいな」

料理を運んできた店員さんも
思わず微笑むような褒め合いが始まり、
2人はいよいよ親への紹介や
新居などの具体的な話を始めました。

年齢や職業からして、
そして豊富な経験からも
十分な良識と
分別を持ち合わせている2人は、

もめることもなく、
しばらくして無事に
婚姻届を提出したのでした。

♡ポイント解説

期限を切るとゴールが近づく

特に男性は、結婚は”そのうち”と
考えていることが多く切迫感がありません。

”転勤で遠くに行く””海外に留学する”などを
きっかけに、それまで決めかねていた
カップルが結婚する例はよく聞きますよね。

年をとっても、消耗しない価値

こと婚活においての30代女性は、
モデルよりもキャリア系の方がニーズは高いです。

モデルに要求される美貌や体形は、
年を取れば取るほど消耗されます。

オトコにとっては、
変なプライドを持っているだけの美女は重荷なだけ。

婚活的にいえば、
職業も賞味期限があるということです。
オンナを売る仕事、
年を取って目減りする職種は
30代の婚活においては、損となります。



傷ついたときには
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夫が猫を拾ってきた、、、


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