映画上映会オフの続き

今日は映画オフの第2弾。
映画男の友人の家での上映会です。

当初は優美の自宅で開催
という話でしたが、

優美は自分の家のアラを
発見される恐れがあると気づき、

友達関係となった映画男の家で
できないかと頼みました。

すると映画男は、

映画男

「どうせなら紹介しようと思ってたやつの家でやろうぜ。あいつんち広いから」

と提案。

こちらとしても、
男の部屋を見て財力や価値観などを
確かめられるのは

願ってもないことなので、
流れに身を任せました。

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婚活のサクラよりタチが悪い。女好きで、結婚する気のない男。

遊び人のオトコ？
見た目に違和感を感じる優美

指定された場所は、
広尾にある
オートロックマンションの最上階。

この男は確か29歳で
仕事は「医療系」と言っていた。

優美

医師なのか看護師なのか薬剤師なのか、
はたまた医療事務などのサポート業務なのかは未確認ですが、この家なら資格系なのではないか。

希望が湧いてきます。
　
部屋に入ると、
20畳くらいありそうなリビングに、
60型のホームシアターテレビが
どーんと存在感を出しています。

床はふかふかの白いじゅうたん。
家具家電は最新式。

優美

この人は、リアルリッチ族!?

先日のオフ会メンバーが揃い、
それぞれ持参してきた
つまみを披露し始めます。

また台所では、
女が4人ほどいて包丁の取り合いが
繰り広げられていました。

チャチャっと何か作るそうです。
その様子を遠目に見ながら、
優美は部屋の主の友人を見つけて、

優美

「ここの部屋主さんは、すごい豪華なお部屋だけど一体何の職業をしているのかしら」

とつぶやいてみました。

返ってきたのは意外にも、

映画男

「ああ、あいつは医療事務だよ。そんなに稼ぎがあるわけじゃないのに、何でこんな部屋に住めているのはおれも不思議なんだ。親は普通のサラリーマン一家だから援助を受けているわけでもなさそうだし」

優美

一体何者なんだろう……？

優美に違和感が生じてきました。

映画上映会という名の
ホームパーティーが4時間経過した頃。

観た映画が話のネタにもってこいの
『SEX and the CITY Ⅰ』（SATC　Ⅰ）
だったため、

メンバーはひとしきり恋愛や
結婚の話に花を咲かせます。

が、よくよく見ると
盛り上がっているのは
女性陣ばかりで、
男性はどこかしら白けムード。

優美

「ちょっと、男性陣はどうなのよ？結婚とかさー」

酒に酔た優美が水を向けると、

男１

「おれたちまだ20代半ばだし、結婚は考えられないな」

男２

「SATCの4人はアラフォーでしょ。ちょっと女として見られないな。しかも、猥談多過ぎだし。こんなん現実にいたらドン引きだよ」

と、揃いも揃って引き気味の男性陣。

優美

「じゃあ、いつになったら結婚とか考えられるわけ？」

男１

「30過ぎてかな。まだ遊んでいたいし」

男２

「早くに結婚したら、かえって浮気とかしそうだしな」

ガーン……。

結婚願望がある人を
頼んでおくべきだった。

まあ、20代の若いのを、
ってリクエストしたのは私だけどさ……。

20代半ばチームの彼らに、
先輩を紹介してもらおうと
思ったけれど、

分不相応な部屋に住んでる
医療事務男といい、

こちらに結婚願望がると知りながら
20代半ばの男性陣を揃える
幹事にはこれ以上何も望めず、
撤退をきめた優美。

あまりにも無駄な一日……。

後に、年収の割に
高級マンションに住んでいる
医療事務男は、
ヒモとなる風俗嬢と
半同棲していることが判明しました・・・。

降って湧いてきた
ハイスペック、高収入高学歴、好条件男

3人の男

薬剤師のヲタ男にお礼メールを送り、
その翌日に返信は来たものの
次のメールが来ないまま
1週間の月日が流れました。

なぜ返信が来ないのか……。
何らかの口実を作って誘い出そうか。
いや、かつて読んだ恋愛マニュアルには
「自分からメールはするな。返事もすぐに出すな」と
書いてあったではないか。

やきもきしているところに、
経理マンのマニ男から
次のお誘いメール。

持ち駒が一つもないので
とりあえず進めとくか、
とあっさり承諾しました。
　
すると、こういうメールは
次々と舞い込むものなのか、
半年前にメールが途切れていた、
ある婚活パーティーで出会った
イケメン20代イケ男から

イケ男

「今日暇？空いてたらご飯行かない？」

とメール。

優美の場合、基本的にデートに関しては
待ち受けタイプなので、
待てども待てども
来なくて諦めざるを得なかった
イケ男からのお誘いは、
願ってもなかった神からの贈り物。

即OKし、
女友達との先約をドタキャンして向かいました。

“指定”の時間は、
木曜日だというのに新宿の居酒屋に22時。

終電まで2時間ほど。
こちらは翌朝9時から仕事なわけだが、
イケ男は午後出勤のテレビ局ディレクター。

場所も、有無を言わさず男の自宅に近い新宿。
優美は新宿からだと
3本乗り換える上50分かかります。

完全に自分中心に世界が回っている男ですが、
イケメン、20代、テレビ局勤務の高年収とくれば
一も二もなく素直に従ってしまいます。

タバコの煙が充満している狭い店内。
非喫煙者の優美の前で、
男はタバコの煙をくゆらせながら、
最近の仕事の話をします。

主に自分の手柄の話。
さすがイケ男くん。
面白い番組を作っている凄
腕ディレクターは話も面白い。

さぞや仕事ができるんだろうな……と
優美は自慢話を聞きながら
幸せに浸ります。

優美

「ところでイケ男くんって彼女できたんだっけ？」

イケ男

「いたら誘ってないって。優美ちゃんは？」

優美

「いたら来てないって」

イケ男

「ほんと、じゃ、軽く付き合わない？」

優美

「軽く？」

イケ男

「お試しで１ヶ月間」

優美

「試用期間ですか(笑)」

イケ男

「いやいや、合う合わないって付き合ってみないとわかんないじゃん」

優美

「そだね。じゃ、試用期間はじめよっか。契約書なしで(笑)」

イケ男

「じゃ、決まりね。今日からよろしくお願いします。」

優美

「どうぞよろしくお願いします。いきなりすぎて面食らってるんですけど(笑)」

優美はまさかの好条件男からの
交際申し込みに
有頂天になります。

そしてマニ男とのデートは、
イケ男のために
いったんキャンセル。

一応最悪の事態を想定して、

優美

「友人の２次会の幹事をすることになり、打ち合わせが入っちゃった・・・」

としてキープを試みます。

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イケメン、高スペック男に口説かれても油断しちゃダメ

衝撃

イケ男に“軽く”交際を
申し込まれてから1週間。

優美は、早1週間で彼の奔放さ……
否、オラオラ言動に疲れてきました。

デートの決定はいつも
「仕事の都合」
で当日夜遅く。

デート代は
「経費が使えなくなったから」
とワリカン。

「女は35過ぎたら～」
といった女性蔑視発言もチラホラ。

それでも
「結婚したら食うに困らないから」
と我慢を重ねてきたものの、
ある時衝撃の事実を知ります。

こちらの電話にはいつも出てくれない割に、
デート中かかってきた電話には
必ず電話を取る彼に不信感を募らせ、
彼が電話に出る時、
発信者の名前をすかさず見た時。

読者モデルをしているモデ美の名前がありました。

そういえば、この男と知り合った時、
モデ美と一緒だった。
男2人と、モデ美と私の4人で
輪になって連絡先を交換したんだった……。

人はつながってたんだ。

結局、その日は彼に問いただそうとするも
うまくはぐらかされ、ショックを受けていた
優美も追及できずじまい。

そして後日。モデ美には、
彼との交際の件は
まだ伝えていない状況だったので、
電話をかけ、
何も知らないふりをして聞いてみました。

他の女に「ぬけがけ」されたあげくに・・・
私は遊びの女？セカンド？

優美

「そういえばさ、イケ男君と連絡取ってる？」

モデ美

「取ってるよ～。なんかさ、付き合ってってしつこいから付き合うことにしたの」

優美

「えっ？そうなの？“お試し期間”とかじゃないよね？」

モデ美

「向こうはそう言ってないけど、私はそのつもり。あの人女の匂いがするし。

まあでも、いつも私の顔色うかがってて、呼び出したらすぐ来てくれるし毎回高級焼肉とかにも連れてってくれるし、今時珍しく帰りはタクシーで送ってくれるし。

もちろんヤラせてないけどね。便利で使い勝手がいいから当分キープっとくよ

優美

「……！」

自分と全然待遇が違う。
優美の場合、
いつも急な呼び出しだから
完全待ち受け、臨戦態勢。

行く店は安居酒屋で、
決まってワリカン。

帰りはもちろん電車。
２回ほど寝た上、
いつだかはお金も貸したっけ……。

モデ美

「優美、どしたの？」

優美

「いや。そうなんだ。向こうは、そのモデ美にベタ惚れなんだね……」

モデ美

「うん。結婚したいってうるさいの」

優美

「結婚の話まで出てるんだ!?」

モデ美

「なんかさ、彼の周りに30女がいて、結婚モードをちらつかされていてうざいって言ってた。やたら『タワーマンションに住みたい』と言い出したりしてるんだって。

そうそう、ウケたのが、道ですれ違う赤ちゃん連れを見て、『わー、あの赤ちゃん可愛い！』って言うんだけど、その目が笑ってなかったんだって、その女。

それで『遠回しに結婚アピールしてくる不気味な30女に比べて、モデ美は結婚にがっついてないからいいよね』って言うの。『余裕がある女はいいね』って」

その後のモデ美の言葉は、
優美の耳に入ってきませんでした。

動揺を必死に隠そうと振る舞い、
電話を切って、
優美はしばらくベッドで放心しました。

その後3日間は、
携帯電話は電源オフにし
会社も休み、
ひたすら部屋で泣いては酒を飲み、
時には睡眠導入剤をも飲んで、
布団から抜け出せない日々が続きました。

しばらくの間電源をオフにしていた間、
メールをくれたのはマニ男1人だけ。

イケ男からもヲタ男からもナシ。
僅かでも期待していた自分が
情けなく思えてきました。

男はやはり、
特に条件が良くて需要がある男ほど、
結婚を焦っている賞味期限切れの女より

可愛くて余裕があって
まだまだ賞味期限が長い
美人と結婚したがる生き物なのか。

失意のどん底に落ちた優美を
励ましてくれたのは、
婦人雑誌に書いてあった
証言記事でした。

タイトルは、

「“羨ま婚”をしたはずなのに」。
「理想のイケメンエリートと結婚するも、フタを開ければ亭主関白で奴隷みたいな日々だった」
「社長子息と結婚できて玉の輿に乗れたと思ったら、家同士の格差の激しさで屈辱的な思いをさせられている」等々

失敗談を読んで、
ポジティブシンキングに考えました。

「自分は災いを免れたんだ。命拾いした」と。

婚活活動再開！今度は最後の男となるか

婚活界復帰

睡眠導入剤の力を
借りなくても眠れるようになった優美。

今日はたびたびデートを
延ばしてもらってきた
戦闘機マニ男とのデートです。

もう、二度と男で傷つきたくない
優美にとって、男としての魅力に乏しいが
思いやりの深いマニ男とのデートは、
リハビリのようなもの。

「アナザーニューワンまでの中継ぎ」として、
マニ男に会いに行きます。

マニ男

「最近忙しかったみたいだね。どう？もう落ち着いた？あれっなんか痩せた……？」

優美

「何度も延ばしてもらってごめんね。うん、いろいろバタバタしてて。私、痩せたのかな？」

マニ男

「大変だったんだね。なんか全体的にほっそりした気がするよ。元気もないし。ほら、今日はいっぱい食べよう。お鍋だから栄養もつくと思うよ」

優美

「ありがとう……」

憔悴していた優美に、マニ男の優しさがじんわりと心に沁みてきます。

優美

「マニ男さんは、いつも人に対してこんなに優しいの？」

マニ男

「優しい？どこが？」

優美

「元気がなさそうだったら気遣ってくれるし。映画を決める時も私の意見を尊重してくれるし」

マニ男

「何言ってんの。そんなこと人として当然じゃないですか」

優美

「そう？あと、お仕事忙しいはずなのに前売り券も買っておいてくれたよね。いつもそうしているの？」

マニ男

「いや、前売り券を事前に買うのは今回が初めてかも」

優美

「あの時は感動しました」

マニ男

「なんか今日は本当に元気がないけど何かあったんじゃない？」

お酒も進んでいたので、
最近起きたことを何もかも
ぶっ話してしまいたい衝動に駆られながらも、
ぐっと飲み込みました。

優美

「いえ。疲れが顔に出てるのね。ごめんね。マニ男さんって今32歳だよね。結婚願望はないの？」

マニ男

「最近になって出てきたな。仕事もようやく落ち着いてきたし」

優美

「どういう人がタイプなんだっけ？」

マニ男

「え」

優美

「あ、唐突だったね。好きな女優さんとかいるのかなと思って」

マニ男

「菅野美穂さんかな。優美さんは？」

優美

「私？うーん、聞いておいてなんですが、私は芸能人でこれといって好きな男性はいないかなあ」

マニ男

「じゃあ、好きな男性のタイプは？」

優美

「温和で、話していて楽しい人かな」

マニ男

「もっと具体的に言うと」

優美

「もっと具体的に？うーんと、戦闘機が好きな人」

マニ男

「えっ……」

優美のこの一言でマニ男のボルテージは急上昇。

デートの後、優美へのアプローチが加速し、
優美は次のデートで交際を申し込まれます。

優美

「私、次付き合う人とは結婚を前提にって思っているんだけど、それでもよければぜひ」

とＯＫします。

イケ男との痛手が、
優美をスピード承諾にむかわせたのだ
といってもよいでしょう。

つづく、、、

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結婚を決める！決断力のない私がプロポーズするには

ピンとくる出会いもなく、
婚活に対する強い動機もないので
これっという人が見つからない優美。

好きな人が見つからないなら
条件のいい人から選ぶしかないかと、
なんとなく条件で
人を選ぶようになっていました。

そして、
思いもよらぬ好条件男からの
アプローチに前のめりになりますが、
自分の知人にも手を出しているなど、
思いのほか遊び人であることを知り
傷心に陥ります。

そんな中、
それまで”キープ”であった男性と
一緒にいる時に
心の平穏を感じる自分に気づくのですが、
今ひとつ決断できない優美でしたが・・・

交際は順調だが、本当にこの人でいいのか悩む

母の介入
　
結婚を前提に戦闘機マニ男との
交際を始めたものの、
まだ収入額など条件面で悩んでいた優美。

ある日、電話で母親に相談しました。

母

「あんた、四の五の言ってないでひとまずその人をお義母さんに見せてごらんなさい！

その人が低年収でも、将来的に高く飛べる男か低空飛行のままの男か、私が見抜いてあげるから。

ぐずぐずしているうちに、他の女の人に目が行ったら一巻の終わりなのよ？」

優美

「はい。分かりました……」

確かに、母親の目に狂いはない。
自分の姉の元カレを会わせた時、

母

「あの人はあなたと結婚する気がないわね。私に対してきちんと心を込めて挨拶していなかった」

と言っていたけれど、
予想通り姉は数か月後に振られていた。

当時を思い出し、優美は、
最後は母親に判断を委ねようと決めたのでした。

母親の

母

「2週間以内に連れてくること！鉄は熱いうちに打て！」

との命令に従い、
優美はマニ男に提案しました。

優美

「うちの母親にね。マニ男さんの戦闘機コレクションのことを話したらすごく興味を持って。ぜひお会いしたいって。別に深く考えないで、戦闘機マニアとして会ってあげてくれる？」

マニ男

「え？戦闘機マニアとして？でも、挨拶でしょ、これ、どう考えても」

優美

「イヤ？」

マニ男

「まさか。じゃ、戦闘機の写真集を持って行くよ」

優美

「戦闘機のウンチク、いっぱい披露してね！」

オトコに厳しく、見る目のある母に委ねてみた

母親VSマニ男初対面

この日は、優美の母親が
わざわざ実家の栃木から上京。

それも東京の百貨店で
開催される展示会目的の上京だ
ということにして、
百貨店のカフェで待ち合せました。

まず、母娘2人で喫茶店で待機。

驚くことに、
母親は普段は娘のお下がりのボロ服を
着て過ごしているのに、
この日ばかりは大島袖の着物で登場。

優美

「お母さん、どうしたの？こんな着物持ってたっけ？」

母

「箔をつけるためよ！いい家庭で育った印象を与えたいし、『遊んで捨てたらタダじゃおかないわよ』とプレッシャーにもなるから。一事が万事だからね！」

優美本人より、
結婚への気迫が伝わってきます。

待ち合わせの15分前。マニ男が現れました。

優美

「あれ、早かったね～」

マニ男

「初めまして!!マニ男と申します」

母

「まあ、今日はお寒い中ありがとうございます。さあさ、何召し上がります？」

母親が、普段と全然違う……。
言葉遣いから身のこなし方まで。

いざという時の女の豹変ぶりは、
母親を参考にすればよかったのか。

女の大先輩の威力を見せつけられ、
感心している優美をよそに、

母親とマニ男は、
建前の話題である戦闘機の話で
盛り上がっています。

母親は普段、
戦闘モノほど野蛮で下らないものはないと
散々こきおろしていたのに、
非常に興味深そうに聞いていました。

意外！母親が気にいるオトコ

1時間経過

母

「優美さん、マニ男さんって、なんて物知りなお方なの。あなたにはもったいないくらい」

マニ男

「とんでもないです、お母様」

母

「あら、お母様だなんて」

マニ男

「あっ、失礼致しました」

母

「まあ、嬉しいわ。マニ男さんのような素晴らしい方にお母様と呼んでいただけるなんて。光栄の極みですわ」

優美

「お、お母さん……」

母

「優美がこれまで紹介してくれた中で、マニ男さんのように教養が深くて気遣いができる方、いなかったわ。私、優美がこんな素敵な方とお付き合いしていると聞いて、本当に嬉しい。……ねえマニ男さん、良かったら今度ぜひ栃木にいらしてくださいな。狭いところで恐縮ですけれど、田舎料理でよければごちそうさせてくださいませ」

マニ男

「えっ、ぼ、僕がお邪魔してもいいんですか」

母

「何おっしゃいますの。末永くよろしくお願い申し上げたいですわ」

優美

「お、お母さん……」

母親のあまりにもの絶賛ぶりに言葉を失った優美。
しかし、あれほど男に辛辣だった母親が
ここまでべた褒めしてくれるんなら、
間違いないような気もする。

一緒にいて心地良くて、尊敬もできて、
あとは条件が気になる程度だったが、
その最後の砦を母親が崩してくれた。

というか、すっかり外堀を埋められてしまった。

マニ男も、もう引き返せない雰囲気で、

マニ男

「ぜひ、栃木に伺わせてください」

と言ってくれている。
いや母親のオーラに負けて、
言わせられている。

かくして、2人はトントン拍子に
結婚への段取りを決めていきました。

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