プチ男性恐怖症?自意識過剰気味純子の婚活
純子(じゅんこ)
IT系企業でデザイナーとして勤務(正社員)。年収400万円。
実家暮らし。男慣れしておらず、コミュニケーション能力も低め。場を盛り下げてしまうタイプ。彼氏いない歴は5年。
自意識過剰で卑屈になりがち。花嫁修業をしなければといつも気持ちは焦っている。
Contents
結婚につながる出会いは1対1が基本!年代別婚活戦略はこちら
アラサー婚活の現実。今まで以上の自然な出会いはもうない
お気楽な独身生活から抜け出せ!
女子会から抜け駆けしよう!!
女子会帰り
純子は、毎週金曜の夜は定例の
「女子会」に参加しています。
仲の良い独身女同士で
歯に衣着せぬトークを
繰り広げられるため
ストレス解消になっています。
女子会メンバーの合言葉は、
「独り身の気楽さは代えがたいよね!
もしずっと独身でも、
うちらで一緒に住めば寂しくはないし!」
ぐでんぐでんに酔って自宅に帰っても、
家は実家なのでお風呂も沸いており、
家事をする必要もありません。
心のどこかでは、
お気楽な独身生活を
手放したくないという思いもあります。
婚活は辛い修行?憂鬱な気分に、、、
今日の女子会は楽しかったな〜。やっぱ女の子同士は気楽でいいな。職場の男の人は何考えているかわからないし。
そもそもアイドリングとかわけわかんないアイドル話で盛り上がっているし。挙げ句に、私のこととか女扱いしないし。まあこっちもあなた方のような非モテ男は願い下げなんですがね!
(コンコン、とドアノックの音)
ママ?なあに?
「ちょっと純子、○○区報に、区が主催している『婚活イベント』情報が載っていたわよ。
あなた、女友達とばかりつるんでないで、こういうイベントに行ってきたらどう?」
「また婚活の話?そういうのは出会いの場じゃなくて、自然に出会うもんでよ。だいたい、
そんなイベントに行くなんて、顔に黒マジックで『男に飢えてます』って書いているみたいでみっともないじゃない」
「でも、あなた今までそう言ってきて、付き合ってきた人1人しかいないじゃないっ。
自然にしていたら無理なんじゃないの?ママが勧めるお見合いも断るし、あなた自身積極的な方でもないし。
黙っていても男が寄ってくるような女子ならともかく、家で寝てないで王子様がピンポーンって迎えに来るとでも思っているわけ?」
「あーハイハイ、わかりましたわかりました。行けばいいんでしょ、もう」
「じゃ、ママが申し込んどくわね。あなたはなんだかんだいって放置しそうだから。じゃあね。おやすみなさい」
母親に言い負かされて、
やむなく登録させられてしまった純子。
男性に慣れていない純子にとって、
男性が多数いる会場は、
辛い修行となります。
女子会で1週間分のストレスを
発散できたもの束の間、
一気に奈落の底に落ちたかのような
憂鬱気分でベッドに沈みこみました。
■最後の大切な時間
婚活時期において、
本来なら最後の詰め時でもある
時期に婚活をせずに
女子会にうつつを抜かしていては、
ふと気がついた時に
誰も手を出してくれなくなる
40歳になります。
■アラサーの現実
アラサーで、自然な出会いがあって、
しかもこちらが積極的でないのに
結婚ができる。
そんな虫のいい話はありません。
婚活ちょっと恥ずかしい!?いざ自治体主催の婚活パーティへ
某区役所主催の婚活パーティ
母親に無理矢理参加させられた
婚活イベント当日。
○○区主催の、○○区住民あるいは
○○区勤務者限定となっていて、
場所は区の動物園。
会費は5000円。
民間主催の婚活イベントより安く、
行政主催という安心感から
応募者は殺到したようです。
ただ、純子は朝から憂鬱モード。
気が重いなーーー。なんかオバハンが男漁りに出かけているみたいで恥ずかしいんだよね。知り合いが会場にいたらどうしよう。
帽子を目深にかぶって、いつもと違う格好して知人バレしないように変装していこうかな?いつも以上に地味で目立たない格好していこうか。お嫁さんは控えめな方がいいっていうしね。
それに、ヒール履いて行ったり腕とか足とか出した格好したりすると、なんか気合い入れてる人みたいで恥ずかしいし。それこそ知り合いに目撃されて、「あ、あの子今日は気合い入れてる!(失笑)」なんて思われたら生き地獄だし。
あ、もうこんな時間。早くしないと10分前に現地に着けないや。よし、といあえず今日はなるべく肌を隠す格好で行こう。着痩せする黒色で。
「迷ったら無難な方」って言うしね。(鏡を見て)うん、いつもよりデブが目立たなくてグッド!首のシワも隠れているし!
そして純子はよりにもよって、
黒いタートルネックに黒×グレーの
足首まであるロングスカートという、
顔以外全く肌が見えない、
重苦しい格好で
現地に到着したのでありました。
うわー、人がいっぱい。
しかも男の人よりも女の人の方が圧倒的多数!!私より若くてキレイな子もいっぱい。私なんて…。
「はい、みなさん!今日は宜しくお願いします。まず、動物園を一周して、それから食事会の準備に移ります。人見知りせず、どんどん声をかけていってくださいね!」
しかし、元来の人見知りが災いして、
足元が檻の中の動物ばかりを見て、
一切人間を見ようとしない純子。
結局、動物園を一周して
誰からも声をかけられませんでした。
「みなさん、動物園は楽しめましたか?さあ、この後は交流会です。飲んだり食べたりしながらくつろいでいってください」
交流会の場で、
みんながお酒を注文する中、
純子は一人でウーロン茶を頼みました。
そして自己紹介タイム…。
「えっと、私、純子と申します。今日は上司に勧められてここに来ました。みなさん、どうぞよろしくお願い致します」
言い訳がましい自己紹介を終え、
他の参加者の自己紹介も済んだところで
注文していたドリンクが
次々運ばれてきました。
目の前に
たまたまワインが置かれた人は、
積極的にそれをとって
注いであげているのに、
純子は無視。
そして、会では趣味の話になり、
話を振られた純子は…。
「私は料理がすきなので、〇〇○先生(有名フレンチ料理家)のお教室に通っていて、その予習復習をしていることが多いですね」(ぎこちない笑顔で)
「へぇ〜。すごいですね。じゃあ、家でもフレンチを召し上がっているんですか?」
「うっ、いえ、実家なのでご飯は母親担当です。私は洗い物と掃除洗濯担当で…」
「じゃあ、料理のレッスンは花嫁修行だ!」
「えっ。そうですが、何か?」
ズバリ言い当てられた純子は
動揺のあまりうまく切り返せず、
ますます言葉少なになりました。
会話はすっかりなくなり、
笑顔も消え失せました。
そして、料理教室に通っているにもかかわらず、
結局最後までいつもの習慣で
かたくなにお酌をしないなど、
気遣いゼロであり続けたのでした。
最終的に、連絡先は誰とも
交換できずに解散の
運びとなりました…。
つづく、、、
■自己イメージ自己イメージうんぬんを通り越して、
卑屈になっています。
卑屈は自分をさげるものでしかありません。
自己イメージ以上に
相手は自分のことを
見てくれませんから、
ちょっと高めに設定しておきましょう。
■卑屈にならないために
卑屈から抜け出すには
ちょっとした成功体験です。
一度でも男から
積極的に好かれれば、
「私まだまだイケるかも」と
自信につながるでしょう。
そのために、
外見を整えてから
参戦するべきだした。
外見は、気持ちにも
大きな影響を与えますよね。
■無難な格好とは?
「無難」と「地味」は全く違います。
雰囲気を明るくさせて、
かつ自分のキャラに合う色と
デザインの服こそ「無難」といえます。
■自意識が出てしまってます
婚活の場で、
「私はあまりこういうところに
来るような女じゃない」
「本当は困っていないのよ」
みたいな、誰に向けて
発信しているのか分からないような
アピールをしてしまう女性は
少なくありません。
結婚したくて来ていると
思われるのが恥ずかしい?
その場にいる人はみんなそうなんだから、
恥ずかしがる必要は全然ないんです。
純子には変な自意識が
こびりついていて、
かえって自分の首を
絞めているように感じます。
人間変な自意識から解放されて
自由になった時に、
すごく明るい未来が待っているもの。
「恥ずかしい」と思ったら、
「過剰な自意識は諸悪の根源」、
「私が思うほど人は
私を見ていないし気にかけていない」
という言葉を思い出して!
■フレンチ料理が得意?
男が喜ぶのはフレンチではなく、
ハンバーグなどの「母の味」的な
家庭料理というのが定説です。
男性が結婚したい相手は、
「お母さん」的な要素が多いからです。
すなわち、「無難」に徹した方が
いい婚活の世界では、
大勢が支持する
家庭料理のメニューを
出した方がより効果的です。
「料理が好き」というベタな
“妻的要素”を
最初の自己紹介で発信するのは
あざとく映る可能性があります。
料理の腕前がプロの領域に
入り込んでいる人ならともかく、
一般的あるいは
それ以下の腕前ならヤブヘビになる恐れも。
■アラサーの現実
純子のように
場慣れしていない人は特に、
最初は良い部分も
悪い部分も
極力情報をクローズさせて、
まずは、他の参加者から
情報を引き出した方が
よいでしょう。
結婚につながる出会いは1対1が基本!年代別婚活戦略はこちら
イメージチェンジして婚活に挑む
先日の区のイベントでは
ボロを出しまくり玉砕してきた純子。
「どうせ私なんて」という口癖が前にも増し、
やけ食いが加速するようになりました。
そして今日も、帰り道にローソンに寄って、
ウチカフェスイーツシリーズを
数種類まとめ買いしようとしたところ、
書棚にあった
無難OL向けのファッション誌の表紙が目に入り…。
一笑に付して雑誌を棚に戻そうとした時、
ふと、今の自分と同じようなことを
いつも言っている
40代の独身女性の先輩を思い出しました。
そういえば、先輩はそう言い続けた結果、今は毎晩一人で飲みに行ってくだをまいて、店の人に煙たがれるオバハンに成り下がっているんだ。
もしかして、私も行く末は…。一応、買うだけ買っておくか。
婚活ウケするファッションとは
(帰宅後)
ふむ。今はこういうのが流行っているのね。
そして婚活ウケするファッションは地味であればいいってもんじゃないのか。
そういえば私、表紙の深津絵里に雰囲気が似ているって時々言われるんだ。私、裏原系だけど、こういう大人カワイイ系も似合うのかもしれない。
明日、会社帰りにいつものセレクトショップで、仲良しの店員さんにこういう服が似合うか相談してみようかな…。
でも、急にどうしたの?って言われるかな…。恥ずかしいな…。
ひとしきり自意識の病と闘った純子。
「自意識は悪」、
「私が思うほど人は私をみていないし、
気にかけていない」と心の中で
繰り返し唱えた上で、
「自意識は捨てろ!」と
紙にマジックで書き壁に貼って、
眠りに就きました。
勝負服を用意する
そして翌日、呪文を心の中で唱えながら
セレクトショップに行き、どうにか店員さんに
全身コーディネイトしてもらうに至りました。
買った服は、淡いグレーでひざ丈の
プリーツワンピースと、
パステルブルーのAラインワンピース。
そして7センチヒールのパンプスに
ロングネックレスなど。
店員さん曰く、
「柔らかめの色合いは顔映りがいいし主張し過ぎない。鎖骨や手首、ふくらはぎだけ露出したワンピースは、絶妙な露出バランスですよ。
何より素材がいいから、上品でお嬢様な印象になります。純子さんの雰囲気にぴったりです!
といいますか、この服がこんなに品良く映る女性は、純子さんが初めてです。」
あ店員さんに褒めちぎられて気分を良くした純子は、
その足で美容院に行って一年ぶりに髪をカット。
もっさりとウエストのあたりまで伸びていた髪を20センチに切り落とし、
目にかかっていた前髪をサイドに流せる髪型にして、
生まれ変わったようにスッキリと明るい雰囲気になりました。
家に帰る道すがら、ショーウインドウで何度も自分の姿を見ては、
踊りだしたいくらい嬉しい気持ちになった純子でした。
■流行より自分に似合うかファッション誌の情報は取りすぎてもダメだし、かといって興味がなくて1年以上見向きもしないのもダメ。研究して一分の隙もなく今年の流行で決める必要はない、大事なのは、流行より自分に似合うかどうかです。
■勝率高い正統派王道凝りすぎているため、男性には理解してもらいにくい裏原系ファッションから、正統派綺麗めファッションにシフトしたのは大きな進歩です。正統派の綺麗めの方が婚活の世界では王道で勝率が高いですから。
■店員さんにお任せはオススメ!純子のように、自己流のお洒落を見直し、その過程で自分と似た雰囲気やキャラのモデルのファッションを参考にして、信頼できる店員さんにコーディネイトをお任せするのは手取り早いですね。他人の客観的な視線は侮れません。
人見知りでも婚活の会話がつづく集まり
純子のイメチェン
髪型を変え、明るめのファッションを
コーディネイト2日分購入し、
生まれ変わったような気持ちになった純子。
そんな折、SNSで登録していた、
IT業界のコミュニティで
オフ会があることを知ります。
ウェブデザイナーの純子は
このコミュニティをよくのぞくものの
書き込みはしたことがありません。
しかし、同種の人間が集まっている心強さと
事前に何者が参加しているか
把握できている安心感で、
参加表明のボタンを押すのに
時間はかかりませんでした。
前回の行政主催の婚活イベントで、
人と接するのがいっそうおっくうになっていた純子でも、
「同業の集まりなら会話が続くかも」と
淡い期待を抱けたことは大きかったようです。
オフ会当日
いつものグレーのパーカーとロング丈の
黒ワンピを着ていこうとした純子は、
ふと先日コーディネイトしてもらった
ワンピースが目に留まりました。
やはり自分には派手なような気がして
さっと目を逸らしましたが、
壁に貼った「自意識は悪」という紙を見て
思い直し、勇気を振り絞って袖を通しました。
そして、会場である目黒の居酒屋に到着。
自身の職場によくいるオタ系も多々見受けられましたが、そ
れがかえって親近感に。
参加者は男女7:3で、年齢層は20代後半〜30代前半と若年層。
「今日のオフ会は、IT業界の将来、現状、転職相談、愚痴、何でもアリでとことん語らいましょー!!」
参加者たちの自己紹介や業界の未来について
話がひとしきり終わったところ、
スキルアップの話を始めました。
「僕今プログラマーなんだけど、プロデューサーやプランナーのスキルも身につけようと思っているんだ」
「私もそう思っているんですよ」
「純子さんも?」
仕事の話であれば男も女もない純子にとって、
この場は心休まるオアシス。
気づいたら、相手が男性であることを
あまり意識せずに
普通に会話ができていました。
リラックスして笑顔が出てきたところで、
一人のウェブ制作男から
思いもかけない発言がでました。
恋愛や婚活に自信がない私にも希望
「でもさ、この業界で純子さんのような可愛い系ってめったにいないよね」
純子は耳を疑いました。私が、可愛い系…?
「そうそう。珍しいよね。女の人はみんな髪ぼさぼさで野暮ったい格好しているし」
つい、「今日だけなんです」と口から出かけたが、
慌てて飲み込み
「と、とんでもないです。」
と消え入りそうな声でつぶやき、
目線をテーブルの上に置く純子。
ここで、今日は珍しくテーブルを
あまり見ていなかったことに気がつきました。
「私、今日は普通に人の目を見て話せていた…」
帰り道、「可愛い系」と言われたあの瞬間が脳内でエコーし、
「私、まだ需要があるのかな」と明るい気持ちになったのでした。
■結果が出やすいところから!
「外見磨き」、「出会いの場数を踏む」という行為は、努力の結果が出やすいので、いち早く積極的に取り組みましょう。
■成功体験が更なる成功の母
卑屈の呪縛から解き放たれる第一歩は、やはり成功体験なのです。
褒められることから始まり、デートに誘われ、
好意を送られることでどんどん回復していきます。
そして、自分が好きになった人から
惚れられた時に完全に
卑屈の呪縛から放たれることになるでしょう。
結婚につながる出会いは1対1が基本!年代別婚活戦略はこちら
男が結婚したい女「育ちの良いお嬢さん」で本命女を狙う
男慣れしておらず、
コミュニケーションにも今ひとつ自信が持てない
純子ですが、
出会いを求めて出かけた
同業種IT業界のオフ会で出会った
男性に誘われた
アプリ開発の講習会の日を迎えます。
久しぶりの出会った男性からのお誘いデートの不安が押し寄せる
「iPhoneアプリ開発」の講習会
この日、純子は店員さんに
勧められて買った
ワンピースを着て行こうか、
いつも通りの裏原ファッションで行くか、
悩みました。
同業者が割と来てそうな会なので、
知り合いに会った時
いかにもデート服で会うと
対応に困ると考え、
姉の結婚の結納の際に買った
紺色のシャツワンピースを着ることに。
女性らしいXラインのワンピースで、
スカート部分はプリーツという
地味上品なデザイン。
これなら
「◎◎の会合が夜あるから」
などと言い訳ができよう……
とまたしても自意識過剰な発想からです。
「今度から着るのに困ったらこれを着ていけばいいかな」。
講習会の会場に着いたらプログラマー男と
落ち合う約束になっていましたが、
純子は、電話をかける勇気が
どうしても出てきません。
「こんなに着飾った服を着てきてしまった。気張っていると思われるんじゃないか」「もしかして、本当は一人で来たかったのに、私に気を使って声をかけてくれたんじゃないか。だとしたら、電話をするのは迷惑なのでは」……。
さまざまな不安が押し寄せてきて、
しまいには
「電話がかかってこなかったらどうしよう」
と、胸が押しつぶされそうになり、
電源を切ってしまいました。
そして講習会終了。
恐る恐る電源を入れるも、
着信も新着メールもなし。
「やっぱり……」と思ったその瞬間、
着信のバイブが鳴りました。
プログラマー男です。
「今どこにいます?」
「あっ、会場のトイレ近くです
「じゃあ今からそこに行きますね」
難易度の高い初めてのデート
そうだ、終了後に
電話することになってたんだ……。
緊張と動揺のあまり、
勘違いをして
一人でパニクっていた自分を
呪いたくなりました。
2人で向かった先は、
会場から5分歩いた先にある
チェーン系カフェ。
小1時間ほど、
今日の講習会内容で
会話が保たれました。
しかし徐々に会話に途切れて、
純子は区の婚活イベントでの
トラウマが蘇ってきます。
プログラマー男は
「兄弟いるの?」
などと聞いてくれますが、
また地雷を踏んだら
どうしようという不安で
言葉少なめに答えては
会話を途切れさせ、
どんどん気まずい雰囲気に。
そして、おなかがすいているわけでもないのに
「おなかすかない?何かパン持ってこようかな。あ、食べない?じゃあ私も食べない」
と意味不明な発言をしたり、
トイレの回数が多くなったり、
純子が明らかに
そわそわし始めたところで、
向こうから
「じゃあ、今晩予定あるから」
と言ってお開きに。
純子は、喫茶店にいる2時間で、
プログラマー男の顔をきちんと
見たのはほんの少し。
チラ見してはテーブルの上に
視線を戻すという按配でした。
■最初のデートで喫茶店は、難易度高い!です
草食系肉食系にかかわらず、
2時間女性と喫茶店でお話できる
男性は少ないです。
この際、気をつけるべきことは
会話が途切れることではなく、
「2時間あっという間に過ぎたなー」
という感覚です。
沈黙があっても良いのですが、
2時間が辛くない相手、
自分にとって場持ちする相手かどうか、
それが大切になってきます。
■二回目も、会うべきかどうかの判断
会話が弾まなくとも、
何か気にいる点があれば
会ってみましょう
「嫌だったな」という負の感情が
あればオススメできませんが、
そうでないならば、誘いある限り、
2〜3度会ってみるべきだと思います。
家庭的&良妻度高め!という演出効果
家庭の匂い
今日はウェブ制作男と
会社帰りに居酒屋でサシです。
店に来る前に、何度も
「友達を連れていっていいですか?」
と書いたメール文を
送信しそうになりましたが、
「場数を踏んで慣れているのだ」と
言い聞かせ、
タオルハンカチを握り締めて店に向かいました。
予約をしてくれた店は、カウンター形式。
目を見て話さなくてもいいのだと、
胸をなでおろしました。
席について注文をあらかた済ませると、
ウェブ制作男から
「純子さんって一人暮らし?実家住まい?」」
との質問。
「実家なんです」
「じゃ、平日仕事で疲れて帰ってきたら晩ご飯が用意されてるってこと?」
「はい。手前味噌ですが、うちの母親のご飯はおいしいから食が進んじゃって」
「おかずがおいしいとご飯が進むよね」
「そうそう。毎晩のように、おかずが5~6品食卓に並んでいて。本当はおかずでお腹いっぱいになれる胃袋ならいいんだけど、ついご飯もお代わりしちゃうの。
本当に、母親みたいに料理上手になりたいです」
「料理好きなお母様なんだね」
「料理だけじゃなくて、クッキーとかケーキもよく焼いてくれるの。とにかく何かを作ることが好きで、カーテンの装飾タッセルとか焼いたケーキなどのおもたせを包む風呂敷みたいのまで作っちゃうんです。だから私の持ち物も母親お手製のものばかり」
「いいお母さんじゃないですか~
「私も料理の真似事をしているけど、母親にはかないませんね」
「お母さんに何かを習ったりしているの?」
「編み物と着付けくらいです。でも全然人にお見せできるような腕前じゃなくて」
「いやいや。僕なんてコンピューターをいじることしか能がないから」
「いえそんな……」
「うちでは毎年、母の日と誕生日には慰労旅行に出かけてるんだ。家族で」
「へぇ。仲がいいんですね」
「すごい仲良しで。よく母親のことを召使い扱いする男がいるけど、信じられないな。僕はマザコンとかそういうことではなくて、人として子として敬意を表するよ。
やってくれるのが当たり前になってたらだめだと思うんだ。もちろん、父親のことも尊敬している。よくあんなに厳しい仕事を愚痴一つ言わず毎日こなしているなあと。家で当たり散らしたことも一度もないんだ。
逆に僕が会社の不満を言おうものなら『会社の利益に貢献できているという確信をしてから言え』だの『百年早い』だの雷が飛ぶよ」
「私もそう思います」
その後、
お互いの家庭環境の話で盛り上がり、
3時間も話し込んでいた2人。
純子にとっては
奇跡的な会話の進行。
アルコールとカウンターに
感謝した夜でした。
■”育ちの良いお嬢さん”的要素
男性は、結婚相手に
「いい家に育ったようなお嬢さん」
を求める人が多いようです。
極端な話、お嬢様であれば
ポイントが2割増しするという話も。
ということは、、、
そう思わせたらしめたもの。
”いい家”というのは、
裕福という意味だけではなく、
「親が愛情いっぱいに育ててくれた」
「家族と仲がいい」
など、将来の幸せ家族を
想像させることができるものがあれば
それはかなり強みになります。
■つき合った人数について
経験の少ない人ほど
ついつい多めに申告してしまう
傾向がありますが、
正直に
「あまり付き合ったことがない」
「全然ないんです」
と言うほうがマシなケースが多いようです。
人数の多い少ないの多寡で
引いてしまうような男性は
そもそも、縁がなかったということです。
多少の嘘をつくかどうかに
気を取られて自分のペースを
見失うくらいなら正直でいったほうが
良い結果に近づきます。
結婚につながる出会いは1対1が基本!年代別婚活戦略はこちら
恋愛に自信がない?自分の短所は気にしちゃダメ!
ウェブ制作男との2回目のデート
プログラマー男とは、
その後純子の方から
何度かメールで
転職相談を持ちかけたのですが、
簡易な回答が来ただけでお誘いはナシ。
最後に純子が
「今度お礼させてください」と
メールを送って以来、
パタっとメールが来なくなりました。
ところが、
ウェブ制作男からは
2回目のデートに誘われ自尊心が回復。
「どうせ私なんて」
の口癖も大分減っています。
前回のデートで
「そういう色似合うね」
と言われたことで、
明るい服もちょいちょい
着るようになり、
周りからは
「最近なんか明るくなってきたね」
と言われるという
変化が見られてきました。
そして2回目のデートの店も、
やはり居酒屋のカウンター。
家庭的な要素(妻力)の出しどき
「純子さん、今日あれ持ってきてくれた?」
「こないだ言ってたやつですよね(笑)。ハイ」
純子が店員の目を盗んで
こっそりカバンから取り出して渡したのは、
純子の家で漬け込んでいる
「ごぼうの糠漬け」が入ったタッパー。
前回のデートで、
純子の家で漬けているごぼうの糠漬けが
激ウマだと話したら、
ウェブ制作男が異様な好奇心を示し
「ぜひ食べてみたい」
と頼み込んでの持参です。
「変なお願いしちゃってごめんね。なんかどうしても食べてみたくなって。あとで食べさせて」
「ご自宅でゆっくり召し上がってください(笑)」
「純子さんも糠床を混ぜてるんですか」
「はい、時々だけど」
「いいね。僕んち、糠床がなくて、ずっと憧れていたんだ。いつか所帯を持てたら絶対糠床が欲しい」
「いいよね。ご飯が進むし」
「僕は家事の中で掃除が好きなんだ。純子さんは?」
「私は母親のご飯の手伝いかな。あとお庭の手入れも」
どうやらウェブ制作男は、
所帯じみた話がすきなようで、
掃除や洗濯、家ご飯など
家事の話ばかりします。
純子もインドア派なので
家事の話題になると喜びます。
そして気づけば、
今日も話題は家の中のことに終始。
なんでも彼は『暮らしの手帖』が好きで
毎回購読しているとのこと。
この雑誌は純子の家では
何十年も前から揃えている
家宝的雑誌でもあるので、
大層盛り上がりました。
純子の好きなワールドの話ばかりで、
純子の口は今日も滑らかでした。
「純子さんはいつもニコニコしていて気持ちいいね」
と、ウェブ制作男。
純子は、いつも「葬式帰りみたいな顔をしている」と
母親などから揶揄されているため、
耳を疑いました。
「私が笑顔?」
そういえば、今日はなんかずっと楽しかった。
それは、ウェブ制作男が私のことを、
「すごいね」と褒めてくれるし、
私を肯定してくれているからではなかろうか。
「ウェブ制作男さんといるとゆく喋れるような気がします。いつもは全然喋れないんだけど。ありがとうございます」
「僕も。男なのに『暮らしの手帖』が好きで恥ずかしかったんだけど、純子さんも『暮らしの手帖』が好きで、話が合って良かった。なかなかいないんだ。
僕たち、ウマが合うね」
その日の帰り。ウェブ制作男から
「糠漬け、すんごいウマかった。また持ってきてください」
とメール。
純子は自分が認められたようで、
深い喜びを感じました。
■演出上手の雰囲気美人たれ!
もし、外見に自信を持てないのなら、
純子のように、
育ちの良さを感じさせるエピソードを
随所に出すのは有効ですね。
演出上手になれば、
意外と、相手からみれば
自分自身、素敵に見えているものです。
人は、同じものを見ても
同じ景色をみていません。
自分に負けないで、
演出上手の雰囲気美人になりましょう。
■無理して弱点を補うよりも
コミュニケーション能力に自信のない人は、
自らのコミュニケーション能力を
高める努力をするより、
自分に合う人を探したほうが
圧倒的に近道です。
30年も生きてきて
高められなかった能力を
磨く方が遥かに難易度が高いものですので。
彼に会わせる友人が勝敗を決める?
ウェブ制作男とのメールは
順調に続いています。
純子は、
「可能なら3人くらい同時進行させよ」という
婚活のアドバイスを受けていたのですが
プログラマー男の
無言の拒絶により守れていません。
しかし、「これが私の限界」だと悟り、
ウェブ制作男に全力投身する心持ちです。
ただ、今一つ自信が持てない。
自分は盲目的になっていないか。
経験の浅さゆえに何か見誤ってないだろうか。
また、彼は私に交際を申し込んでくれるだろうか。
友人の良子にある日ポツリと話をしたら、
「今度2人でご飯を食べている時、私を突然呼びつけてよ。それか、うちらでご飯食べている時彼を突然呼び出すか」
と良子。
どちらかといえば、
後者は彼が居心地良く感じないだろうから、
また彼と会う機会さえあれば、
3人で食事をするのもよいかもしれない。
良子なら私の欠点をばらさないだろう、、、。
何か自然に友人と会わせる口実はないか
と考えをめぐらせていると、
都内の書店で『暮らしの手帖』の
名物編集長によるサイン会イベントが
あることを思い出しました。
世の中にはくだらないイベントばかりだと
ついこの間まで思っていたけれど、
思えばイベントほど便利な誘い文句はない。
ウェブ制作男に、メールをしてみました。
「今度、母親からのおつかいで、『暮らしの手帖』のサイン会に行くことになりました。サイン本が欲しいみたい。ついでにウェブ制作男さんのももらってきましょうか?」
相手が自分に好意があれば、
これをネタに何らかの方法で
会おうとしてくれるはず。
純子にとって、精一杯の誘い文句です。
真の友
純子の期待通り、
サイン会に彼も同行してくれることに。
そして、当日――。
2人で整理券を持って並んでいたら、
純子の友人がシナリオ通りに現れました。
「あれ?純子。何やってるの?」「今日は例のサイン会だよ。良子は、お買い物に来ているの?」
「そうだよー」
「あ、良子さん、友人のウェブ制作男です」
挨拶を交わす2人。
と、そこで良子が
「2人はこれから何してるの?よかったら3人でお茶しない?」
3人で近隣百貨店の喫茶店に入りました。
「ここの店のプリン、美味しいね。そういえば前純子が作ってくれたプリンも美味しかったな。
純子はね。一見ぼんやりしているけど実は華道で教授の資格も持ってるんだよ。コツコツと地味な努力ができるところがすごい……」
良子は、純子が自らは言えないような特技を、
ウェブ制作男の前で語ってくれます。
ビバ友人!
さらに、新妻である彼女は、
結婚生活がいかに楽しいかを
とつとつと語り、
意外と亭主関白でも悪くないことを
話して純子に同意を求めます。
純子が
「別に私も旦那さんが主導権を握るのに不快感はない」
と言った瞬間、
ウェブ制作男の反応が良かった
のを2人は見逃しませんでした。
そして1時間半後、
「じゃ、旦那が待ってるから失礼するね。ウェブ制作男くんも、よかったら今度うちの新居でやるホームパーティーに遊びに来てね」
と軽やかに去っていきました。
「純子ちゃんの友達、面白いね」
「うん。『暮らしの手帖』の世界ではないけれど、すごく楽しそう。結婚してから穏やかになったのよ」
「へえ。いいね。ちなみに純子ちゃんは、お母様から『暮らしの手帖』の家事手法を受け継ぐの?」
「受け継ぐも何も、すっかり染みついちゃってるから」